母なる河に沿って 東華禅寺の華夏根源文化の旅、黄河のほとりの文明の足跡を探る

写真説明:大禹渡の工事を上空から見下ろす。(李英菁撮影)

5月7日から9日にかけて、東華禅寺の方丈、万行法師が率いる一行は、中華民族の祖先の故郷である山西省運城の黄河金三角地帯から出発し、中華民族のルーツを探る旅をした。

「肝が冷えた!」千年の歴史を持つ古い乗り物である皮筏子に乗り、黄河の流れに激しく揺られながら川を下る中で、東華禅寺の方丈である万行法師はそう感慨を漏らした。同時に古代中国の労働者たちの知恵と勇気に驚嘆した。

黄河は華夏文明のゆりかごであり、幾千年にもわたり、炎黄の子孫は黄河の両岸で命を育み、無数の物語と伝説を残してきた。

大禹の治水の足跡を辿り、川邉から千年の古き渡し場である大禹渡しを眺め、大禹渡揚水工事を視察し、現代の「大禹の精神」を学んだ。また、中国に現存する4つの唐代木造建築の一つである広仁王廟を訪れ、「龍王」に拝謁し、五穀豊穣を祈願した。東華禅寺の華夏根源文化の旅は、山西省運城市へと進み、黄河に沿って中華文明の足跡を追い求めた。

写真説明:大禹渡揚水工事管理センター主任の董増武が、万行法師に工事の歴史と現状を紹介した。(李英菁撮影)

大禹渡揚水工事管理センターの董増武主任が、万行法師に工事の歴史と現状を紹介した。大禹渡しは伝説の大禹が治水を行った場所であるだけでなく、現代の中国人が自然を改造し、水を台地に引き上げた傑作でもある。大禹渡揚水工事は、国内で単一の揚程が最も高い農業用の黄河灌漑プロジェクトであり、65万ムーの農地と28万人の人々がその恩恵を受けている。

写真説明:万行法師と「大禹神柏」(李英菁撮影)

万行法師は「大禹神柏」と記念撮影をした。大禹神柏の樹齢は4000年で、伝えられるところによると、この神木は大禹が治水を行った際に自ら植えたか、あるいは大禹が馬を繋いだ場所だという。この木の樹冠は「龍が頭を上げる」ような形をしており、どの角度から見ても龍の頭が高く上がり、枝が天を突き刺すように見えることから、地元の古老たちはこれを「龍頭神柏」と呼んでいる。

写真説明:万行法師が広仁王廟を視察。(李英菁撮影)

写真説明:万行法師一行が千年の歴史を持つ黄河の皮筏子を体験した。(李英菁撮影)

写真説明:皮筏子の上から黄河の対岸を遠望する。(李英菁撮影)

【取材・執筆】李英菁

【出典】東華禅寺

翻訳/古橋奈津子