東華禅寺『般若の光、万巻の初心』人文芸術展を開催 異分野の融合が文化の魅力を発揮する

5月1日、広東省韶関市の東華禅寺が主催し、盧一スタジオが共催する『般若の光、万巻の初心』人文芸術展が、東華禅寺書画院で開幕した。このチャリティー展は、仏教文化、伝統的な書画、そして現代アートを深く融合させたもの。「一念起こり、万法生ず」という言葉をインスピレーションとし、「一念」というテーマで、100点以上の丹精込めて作られた芸術作品が展示され、仏法の智慧と現代の美意識を結びつける架け橋となった。

開幕式は同日早朝に行われ、東華禅寺の方丈である万行大和尚が一団の僧侶を率いて会場に現れた。人文芸術家の盧一、キュレーターの止止、文化学者の涂澤寰など、各界の人々が東華禅寺書画院に集った。キュレーターの止止は、「仏法は見えないが、すべてが仏法である」という言葉で企画の理念を解説した。芸術家の盧一は、一万部もの『心経』を書き、芸術で仏法を広めようとする初心を分かち合った。万行法師は「『心経』をもって道に入り、悟りを開く」ことについて説法を行い、この展覧会を通じて人々が「初心を忘れず、初めて最後まで得られる」という信念を実践することを願った。会場では、盧一が東華禅寺に『心経』をテーマにしたスカーフ作品と万行法師の肖像画を寄贈し、万行大和尚は貝殻の仏像を返礼品として贈り、名誉証書を授与した。これは「芸術が道場を守り、仏法が心を養う」という善縁を伝えている。来賓の記念撮影の後、参加者は展示ホールへ移動し、万行法師と盧一らは書のセッションで共に腕を振るった。百幅の『心経』が同時に展示され、展覧会が正式に幕を開けた。

今回の展覧会は、伝統的な形式を打ち破り、異分野を超えた展示方法を採用している。展示形式は書道、インスタレーション、彫刻、没入型など多様なメディアに及んでいる。展示の見どころは盛りだくさんで、盧一が独自に生み出した「書画で祈福する心経シリーズ」、「指紋心経シリーズ」、「人物肖像仏経シリーズ」、そして現代抽象アクリル心経シリーズが中心となって展示され、斬新な芸術的手法によって古典的な経典に現代の生命力が吹き込まれている。13.3メートル×3.3メートルの大篆体によるインスタレーションウォールは、呉昌碩の筆法で260文字の『心経』を再構築しており、人気の撮影スポットとなっている。「仏法肖像共創エリア」には数百人の観客が集まり、若者たちは願い事を書き、指紋心経などのシリーズは家族の交流を促進した。MOZOOの流行の玩具と落書きを組み合わせることで、仏教の包容力を表現した。万興法師も参加した。万行法師は展示を鑑賞した際、この展覧会が伝統と革新が共存していることを称賛し、盧一の作品は字の中に絵があり、絵の中に字があると述べた。

展覧会期間中、芸術と禅の心が深く融合した。盧一は木の枝を筆として使い、万行法師の作品に二次創作を行い、「自然が即ち筆と墨であり、心法が即ち画法である」という禅の心境を解釈した。また、展覧会では万行法師と盧一が共同で創作したテーマ作品も披露され、東華禅寺の思想が取り入れられ、禅宗文化が解釈されている。さらに、盧一は「書法と禅の修行」をテーマにした講座の中で、現代人のストレスや悩みに対し、内なる心を覚知するなどの観点から提案を行い、最後に『心経』を唱えて講座を締めくくった。

展覧会は全編がチャリティー形式で催された。盧一は2025年の春節に一万部の『心経』を書き記すことを発願し、今回はその中から選りすぐりの100点を巡回展示し、一万部目の『心経』は巡回終了後に東華禅寺に戻す計画だという。会場の観客は、メッセージを残したり祈りを捧げたりする方法で参加し、芸術の美と慈悲の心が共鳴するのを体験した。この展覧会は5月15日まで開催され、筆と墨の芸術を通して仏教の知恵と心の平安を体験できる機会を観客に提供する。

【出典】東華禅寺

翻訳/古橋奈津子