憶仏殿の神秘と荘厳さを探求する

東華禅寺は広東省東華山の雲霧が立ち込める場所に位置し、その奥深い文化的背景で無数の信者と観光客を惹きつけている。今日は寺門を開けて、千年の仏法の伝承を担う憶仏殿へ入り、その独特の魅力を感じると同時に、周辺の景勝地の格別な趣を味わおう。

憶仏殿は東華禅寺の中心的な建築物の一つで、以前は法堂であったが、後に憶仏殿に改築された。人々は殿内で仏像を印刷・制作する形で、諸仏や菩薩と縁を結ぶことができる。仏像を印刷・制作する際に、同時に願い事を書き記し、諸仏や菩薩の真言とともに「千仏万経桶」に納めて、憶仏殿に奉納することも可能である。万行大和尚は「仏を憶い仏を造れば必ず仏になる。私の心と仏の心は元々一つである」と述べている。

他にも憶仏殿と関連した是非訪れて欲しい観光スポットが多くある。蔵経楼には「仏教のパンダ」と称される貝葉経が大切に収蔵されている。2500年以上前の古代インドから伝わる経文は現存数が少なく、非常に価値が高い。東華禅寺は2000巻以上を収蔵しており、その数はポタラ宮を上回るが、これは万行法師の徳行に感化されて寄贈されたものである。貝葉経は耐摩耗性と軽量性を備え、筆跡は鮮明で長持ちする。国家一級の文化財である。

善縁堂は寺院の応接室として、万行大和尚や法師たちが信徒のために仏法の修行や人生の悩みについて答える場所である。来客を通じて善い縁を広範囲に結び、仏法の伝播と衆生の救済を推進している。

祈福中国広場は、元々「龍鳳祈福円夢広場」という名前で、2008年に完成し、平和と平安を象徴している。広場の「翡翠龍鳳の壁」は、12トンの翡翠の端材を彫刻してつなぎ合わせたもので、龍は長さ95メートル、鳳凰は93メートルあり、翡翠の破片には功徳と祈りの言葉が刻まれている。毎年元旦と国慶節には盛大な祈りの伝灯法会が開催され、結婚や恋愛が円満になることを願う良い場所となっている。

仏塔はすべての仏や菩薩の心のすみかであり、衆生に利益をもたらすことを象徴している。東華禅寺の世界平和吉祥塔は、世界に108基ある同じ形式の塔の一つであり、2015年に落成し釈迦牟尼の真身の舎利が祀られている。諸仏や菩薩の加護が集まっており、民間では邪気を鎮め、良い気を取り込むという言い伝えがある。

東華禅寺の憶仏殿は、奥深い仏教文化と素晴らしい寓意を宿した多くの観光スポットを繋いでいる。仏教文化に興味のある観光客にとっても、心の安らぎを求める人々にとっても、ここは理想的な観光地であることに間違いはない。

【出典】東華禅寺

翻訳/古橋奈津子