
古刹の鐘の音は遥かに響き、人里離れた谷にひっそりと蘭の花が咲く。このほど、香港大公文匯メディアグループの一行が広東省翁源県にある東華禅寺を訪れ、禅と蘭をテーマにした文化交流ツアーを実施した。翁源は、「中国蘭の里」としてその名が広く知られており、蘭産業と地域の文化が密接に結びついている。東華禅寺の蘭を仏に供える独特な伝統は、この地に特別な禅の色彩を添えている。
東華禅寺に足を踏み入れると、清らかで奥ゆかしい梵音と淡く雅やかな蘭の香りが交じり合い、人々は一瞬にして静かで安らかな雰囲気に浸ることができる。寺院内には、鉢植えの蘭が秩序よく並べられ、清らかな供物となっている。蘭を仏に供える伝統は東華禅寺で古くからあり、方丈の万行法師が訪問団に紹介したところによると、蘭の清らかで気高い姿は、まさに禅宗の「明心見性」という教えの趣旨に合致しているという。

交流の中で、大公文匯グループ一行は寺院の主要な建築物を見学し、禅寺の歴史的ルーツや蘭を仏に供える文化の精髄について深く理解した。同時に、彼らは翁源が蘭産業を頼りに農村の発展を推進している成果にも注目した。
聞くところによると、翁源は全国最大の中国蘭生産基地である。年間生産量は1億株を超え、供給量は全国の60%を占め、年間生産額は30億人民元を超える。豊富な蘭の資源を活かし、翁源県は蘭の栽培、加工、販売産業を大いに発展させ、地元の農民の増収と富裕化を促した。しかし最初の頃は、翁源の蘭はブランドとしての知名度が低く、販売の壁に直面していた。
東華禅寺は、積極的に農村発展事業に身を投じ、地元の農家と密接に協力している。文化的な影響力を頼りに、蘭をテーマとした禅の修行や書画展などの一連のイベントを開催し、毎年選び抜かれた数万鉢の蘭の花を仏前に供え、蘭の文化と禅宗の精神を広めている。これにより国内外から多くの観光客が訪れるようになった。

蘭は経済作物であるだけでなく、翁源の文化的な象徴でもある。香港大公文匯メディアグループ社長補佐で大公文匯国際文化伝播有限公司執行総裁の王道は、プラットフォームである全メディアの利点を十分に発揮し、多様なコミュニケーション形式を通じて東華寺の禅文化を全面的に報道し、翁源の蘭産業の発展に貢献し、より多くの人々に禅と蘭の文化の独特な魅力を味わってもらいたいと述べた。
東華禅寺は蘭を導きとして、禅宗の精神を郷土経済に注入し、「人里離れた谷に咲く蘭」という文化的イメージを継承しつつ、「一輪の花が百の産業を興す」という産業構造を築き上げた。今後、大公文匯グループは東華禅寺との協力を深め、禅の心を持つIPが農村の振興に力を与える実践的な道を共に開拓し、翁源の蘭の香りと禅の響きを国際的な舞台へと押し出していく。
【発表】大公文匯国際伝播センター
【取材・執筆】劉暢
【編集】田欣妍
【監修】鍾俊峰
翻訳/古橋奈津子